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2008年5月21日 (水)

年金と消費税

経団連の御手洗会長が“消費税は10%ではすまない”などと言っているようです。

「消費税、10%ではすまない」御手洗・経団連会長
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20080519-OYT1T00589.htm

日本経団連の御手洗会長は19日の記者会見で、年金や医療、介護などの社会保障財源に消費税を充てる場合の見通しについて、「高齢化社会で社会保障費用が毎年1兆円ずつ増えている。2020年といった超長期になると(経団連が提言している)10%では済まないと思う」と述べ、将来は消費税が10%を上回る可能性が高いとの見通しを示した。

 経団連は07年に消費税を15年までに10%に引き上げるよう提言したが、14日に公表した社会保障制度改革の提言では消費税の具体的な引き上げ幅に言及していなかった。御手洗会長は「07年当時と経済状況は大きく変わった。消費税にはいろいろな考え方があり、そういう点を含めて議論していきたい」と述べ、今後、抜本的な検討作業を進める考えを示した。

(2008年5月19日19時50分  読売新聞)

民主党もそうですが、経団連も基礎年金の税方式に賛成しています。

民主党はおそらくは在日無年金者にも年金を払いたいので税方式と主張しているのでしょうけれども、経団連が税方式にこだわるのはなぜか?

それは朝日の社説にも書いてありますが、要するに企業の負担を減らしたいだけなのです。

年金改革試算―福祉の全体像を見たい
http://www.asahi.com/paper/editorial.html#syasetu1

消費税が09年度で4.5~13%上乗せされ、サラリーマン家庭はどの所得層でも負担増になる。これが要点だ。

 税方式にして国民年金の無年金・低年金の人へもすぐ満額の年金を支給すると、支給総額が増えて税率が高くなる。保険料を消費税に置き換えると、企業の保険料負担がなくなる分が家計の負担増になる。こうした税方式の課題を試算の数字は示している。

いったい経団連というのはどこまで国民を苦しめれば気がすむのでしょうか?

企業の保険料負担をなくし、法人税の引き下げを要求し、その分は消費税の増税で補えと主張しているのが今の経団連です。

もはや狂っているとしか言いようがありません。

国際競争力維持の観点から法人税を引き下げざるを得ない面があることは理解できますが、雇用主の社会的責任として企業が保険料を負担するのは当然ではないのでしょうか?

経団連は、保険料負担が減った分は福利厚生に充てると主張しているようですが、その保証はどこにもありません。

それに、企業というのは営利を追求するものであり、業績が悪くなればまず従業員の福利厚生をカットするはずです。これはバブル崩壊後の日本企業の行動を振り返ればすぐにわかることです。

経団連はあまりにも国民をバカにしていると思います。企業の負担軽減のための年金の税方式への移行には絶対に反対です。

それでは、国民年金の未納・未加入問題はどうするのだと言われるかもしれませんが、未納・未加入者には年金が支給されなくなるだけですから、なぜそれほど大騒ぎするのかわかりませんが、未納・未加入者が問題であれば、保険料の徴収方法を改めるのが筋であり、未納・未加入が問題だから税方式に移行すべきというのは論理としてもおかしいですね。

ちなみに、イギリスでも税方式に移行すべきか議論されたようですが、保険料方式が維持されることになりましたね。

「基礎年金の全額税方式化」を考える-英国の年金改革論議から-
http://www.mizuho-ir.co.jp/column/shakai080318.html

「税方式の導入よりも、保険料をきちんと徴収できる体制を整備する方が先ではないか」――筆者が最近意見交換をした英国人の社会保障研究者は、日本における「基礎年金の全額税方式化」の議論についてこのような感想を語った。

日本の年金制度は、保険料を支払うことによって年金を受け取れる「保険料方式」になっている。しかし未納・未加入者の増加などから、税金を財源に保険料支払い実績に関係なく基礎年金を受け取れる「税方式」への転換が提案されている。だが先の研究者は、未納問題に向けた税方式という対応に違和感があるようだった。

確かに英国の公的年金は、日本と同様に保険料方式であるが、未納・未加入の問題は聞こえてこない。保険料徴収は、税金を徴収する歳入関税庁が一元的に担っていること、未納者には罰金等を科すること、国民に「保険料の未納は脱税と同じ」という意識が強いことなどが影響しているように思う。他方で、保険料納付が困難な低所得者には、拠出が義務づけられていない。加入者が限定されているために保険料を徴収しやすい面もあろう。制度の違いはあるが、税と保険料の一元的な徴収体制など、未納問題の解決手段は他にもあるという意見は傾聴に値する。

未納・未加入が問題であれば、徴収体制を強化するというのが筋でしょう。なぜ税方式にしなければならないのか理解できませんね。

もっとも英国でも、夫の年金権に基づいて専業主婦等の妻が年金を受給できる制度があり、夫婦で老後生活を賄うことが想定されてきた。しかし非婚女性が増え、同棲や離婚も増加している。これまでの制度は、こうしたライフスタイルの変化にそぐわないとして、一定期間英国内に居住したことをもって受給できる基礎年金が提案されたのである。

しかし、英国政府はこの提案を退けた。最大の理由は、「受給権の取得には、保険料を納める責任を伴う」という保険料方式の原則を重視したことである。保険料を納めないのに年金を受給できれば、就業インセンティブが低下する懸念がある。しかも英国政府は、働くことが何よりの生活防衛になるという考え方の下、就業促進をベースにした社会保障改革を進めてきた。年金委員会の提案は、政府の方針と相容れないものであった。

また、仮に税方式を導入する場合には移行期間を設ける必要があるが、いかなる移行措置をとるにせよ、保険料を支払った上で年金を受け取る人と、一定期間の居住をもって年金を受け取れる人の間で、公平性を保つことは難しい。さらに、両者の並存は、年金制度を複雑にするという懸念も指摘された。

日本とは論点が多少異なりますが、“受給権の取得には保険料を納める責任を伴う”という原則は重視すべきでしょうし、そうでなければ就業インセンティブが低下してしまいますね。

繰り返しになりますが、未納・未加入が問題だから税方式に移行して年金は安心!などというのはおかしな話です。経団連が邪な “思惑”で税方式を支持していることは忘れないようにしたいものです。

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コメント

バカとしか言いようが無い。手を尽くし最終的に消費税が上がるのは仕方が無い。まず、財源が無いから一番取りやすいところから徴収するという考えがおかしい。生活保護の問題もそうである。問題のある人に先に金を渡す。たとえそれが不正受給でもである。今、社会に起きている数々の問題点に共通するのは「痛みは全部弱者に」です。官の不正や、政策の失敗、不透明な中国への援助、留学生問題、パンダ、独立行政法人、道路問題、地方行政における不要な箱ものなど、挙げればきりがない。これらのツケはすべて国民です。

投稿: bec | 2008年5月21日 (水) 午前 11時06分

御手洗さん、そりゃ10%では済まないですよ
未納者1200万人ぐらいですかね、率にして三分の一以上が未納者で、そのほか未加入者っているんですよね、これが60万人ぐらいですか、在日は別ですよ。
制度は事実上破綻してます、立ち行く制度改革は必要ですが、全面消費税方式ですか、これは確かに未納問題は解決します(笑)
それに、未納者喜ぶでしょうね、正直者は馬鹿者ですね(笑)
もし年金の消費税方式導入となれば、勿論年金だけではありませんね、現在問題になっている医療保険、介護保険など目白押しに消費税を当てにした制度改革が俎上してくるでしょう。
で、痛みを伴わず?将来の問題はこれで一挙に解決ですか。
でみんなハッピー?
ってなわけには行かないでしょう。
これで10%で済むはずないでしょう、消費税20%以上は必要ですし、導入以降も年率調整分を上げて行かなければなりませんから10年もしたら30%超えますよ。
これでは、日本沈没します。

投稿: ごんべぇー | 2008年5月21日 (水) 午前 11時08分

 国民年金の問題は、今の年寄りに、国が支払いすぎてしまった事です。
 国民年金の納付額14,100円/ 月を、40年間積立、45年間4.1%で運用すると、2,100万円に成ります。国が半額補助すれば、4,200万円に成ります。
 此れを17年間貰うのなら、20万6千円/月に成ります。積立方式なら、何も問題有りません。
 今79万円/年貰っていますが、国は、将来は2,300万円を、生涯で貰らえると説明しています。何故4,200万円で無いのか。
 国は今の制度を、修正積み立て方式と言って、賦課方式と誤認させようとしています。
 テレビでは此の事を全く言わず、消えた年金などと些事ばかり大げさに騒いで、目くらましを遣っています。
 
 
 

投稿: 八目山人 | 2008年5月21日 (水) 午後 12時18分

becさん
コメント、どうもありがとうございます。
保険料の企業負担分をなくして、その分を消費税で補填しようという発想が許せません。本当に消費税の増税が必要であれば否定しませんが、企業のための消費税増税など言語道断です。
それに、ご指摘の通り、税金の無駄遣いを徹底的に見直すべきです。

投稿: saratoma | 2008年5月22日 (木) 午前 12時56分

ごんべぇーさん
コメント、どうもありがとうございます。
企業が負担していた分をゼロにして消費税で補おうとすれば10%ですまないのは当然です。
年金の税方式はご指摘の通り、正直者が馬鹿をみる制度であり、未納者・未加入者が得するという摩訶不思議な制度です。
保険料方式を維持した上で、徴収方法等を再検討すべきです。

投稿: saratoma | 2008年5月22日 (木) 午前 12時58分

八目山人さん
コメント、どうもありがとうございます。
ご指摘のような問題点もありますね。消えた年金云々というのは、安倍前首相が社会保険庁を解体しようとしたため、これを阻止するのが狙いだったのでしょう。
消えた年金が本当に問題であれば、まず社会保険庁を解体し、公務員労組に支持されている民主党を選挙で敗北させなければならないのですが、国民は狂ったように民主党に投票しました。愚かなことをしたものです。

投稿: saratoma | 2008年5月22日 (木) 午前 01時02分

私も全額税方式には反対です。こんなの社会主義ですよ。

老後の備えは自分たちですべきで、年金保険料の納付もその手段の一つです。

とてつもない増税と政府への依存につながる全額税方式はとんでもないです。

全額税方式に反対の声を政党と議員に伝えましょう!

投稿: mirai | 2008年10月 3日 (金) 午前 02時11分

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